水彩画の描き方(初級編2)


4.構図について

 構図は、絵を描く場合、非常に大切な要素です。構図は人間にたとえると骨格みたいなもので、構図がしっかりしていると、絵に落ち着きや安定感が出て、安心して見られるものです。構図が良いか悪いかで、絵の良し悪しが決まってしまうといっても過言ではありません。ですから、絵を描く場合は、最初に構図をしっかり決めることを心がけたいものです。

 構図をしっかり描くためには、まず描こうとする対象物をしっかり見て、画面の中でバランスよく収まるようにまとめることが大切です。構図をいい加減にして描きますと、どんなに素晴らしく彩色できたとしても、安心して見られる作品にはならないと思いますので、注意が必要です。

 しっかりした構図は、どのような絵を描く場合にも、基本になります。特に、建物などを描く場合は、構図がしっかりしていないととても不安定になり、落ち着きのない作品になってしまいます。最初の段階で、しっかりした構図で描写することが肝心です。

 それでは、どのようにしたら、しっかりした構図で絵を描くことができるのでしょうか。

 早速、建物などの描き方について述べてみたいと思います。

 例題として、駅舎を描く場合を手順を追って解説すると、次のようになります。(普通、建物などを描く場合は、できるだけ真正面はさけて、少し斜めから描くとよいでしょう。その理由は、真正面から描きますと建物の奥行きが表現できず、平面的になってしまう恐れがあるからです。)

 まずは、駅舎を中心に周りの風景も含めてしっかり見て、全体的な形を頭に入れながら、鉛筆で下記の手順でデッサンします。

 1・建物が立っている地面の線を水平に引く。

 2・建物の屋板の上部の線(稜線)を引き、建物の高さを決める。

 3・建物の幅を決めるための線を、左右に縦に入れる。

 4・軒の線を屋板に沿って入れる。(この場合、屋板の面積が広くなり過ぎないように注意する。)

 5・周囲の樹木や電柱など、比較的大きな形のものを描く。

 6.遠景の山や森などを描く。

 7・駅の入り口、窓、煙突など比較的はっきり見えるものを描写する。

 8・駅前のタクシーや歩行中の人物などを描く。

 鉛筆で下絵を描く場合、あまり細かなところまで描く必要はありません。物の位置がわかる程度でいいのです。(初心者の方の中には、最初から全てを描こうとして、細かく描写される方が多いが多いように見受けられます。また、全体的なバランスをあまり意識しないで、いきなり局部的に細かく描く方もおられますが、ぜひ我慢して、必要最小限の描写でとどめてください。コツは、細かく描くよりも、むしろ大胆にあっさりと描く気持ちで、デッサンするとよいと思います。)

 一応、鉛筆での下絵が仕上がったら、全体的にバランスがよいかどうかをチェックします。もし、どこかおかしいところに気がついたら、消しゴムで消して、修正しましょう。修正ができるのは、鉛筆の段階までですから。

 次に、ペンでの作画に移ります。建物などの基本線の描写には、太さが0.3〜0.5mmのペンを使い、その他は細目のペンを使います。(ペンでの作画で注意しなければならないことは、ペンで鉛筆の線をなぞるのではなく、鉛筆で描いた線を参考にして、独自の線を引くつもりで作画することです。それでないと生きた、勢いのある線は引けません。いったんペンで描くと、消すことは出来ませんが、多少間違っても、思い切った線で描くことが肝心です。


 「構図は大胆に、描写は丁寧に」―――これは、私が絵を描くときに、いつも肝に銘じていることです。



 これまで、絵を描くデッサンの手順を説明しましたが、建物を含めた風景を描く際に、学んでおく必要があるのが「遠近法」です。そこで、次は遠近法について、少し解説したいと思います。




横浜の港

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