水彩画の描き方(初級編3)


5.遠近法  

 遠近法は、建物や風景を描く場合、非常に役に立つ技法です。一般的に遠近法には透視図遠近法と空気遠近法の二つがあります。

●透視図遠近法

 一般的によく知られている遠近法は、「透視図法」と呼ばれている技法です。これは、手前にある物は大きく、遠くに行くほど小さくなり、最後に水平線で消失するように描く技法です。

 わかりやすい例で説明しますと、目の前に真っ直ぐ延びている一本道があり、その道の真ん中に立って前方を見るとすると、その道は、手前から前方に行くに従って水平線でだんだんと細くなり、最後に一点に集中してしまうはずです。これが「一点透視法」です。

 そして、物の形が一点に集中して消えることから、その点を「消点」または「消失点」と呼びます。

 また、建物などを斜めに見た場合、手前が大きく、左右に遠のくに従ってだんだん形が小さくなります。この場合、左右に建物の線を延ばしていくと、二つの消点ができますが、このように消点が二つできる遠近法を「2点透視法」と呼びます。  

 ただし、遠近法で作画する場合、非常に大事なことは「目線」(目の高さ)を何処におくか、ということです。風景画などを描く場合、開けた風景ですと、目線は水平線と同じになります。

 しかし、眼前に建物などが来ると、水平線が見えなくなります。この場合は、消点は目線上にきます。ですから、目線をどこに置くかで、しっかりした構図が決まるといっても過言ではありません。

 以上のことを考慮して構図を決めると、安定した絵が描けると思います。


一点透視法


二点透視法


●空気遠近法

 空気遠近法は、空気の色で遠近を表す技法です。この技法は、遠方の風景ほど薄く、青みがかった空気の色で着色する方法をいいます。ですから、同じ山並みでも、近くは濃い色で、遠い山は薄い青系の色で彩色すると、遠近の感じが表現できます。これが空気遠近法です。

 この他にも、色彩の効果で遠近を表現する「色彩遠近法」という技法があります。この技法は、暖色系の黄色や橙色は手前に向かってくる感じがし、また寒色系の青色や緑色は奥に引っ込んで見える特性を利用して描く技法です。このように、色の性質を利用して遠近感を表現する方法もありますので、一応知っておいてください。



 以上、基本的な技法を紹介しましたが、各人がこれら技法を用いて、より個性豊かな作品を描かれることを心より期待しております。

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