2.風景画の上達法
一口に風景画といっても、モチーフ(題材)によって、様々な描き方があります。本編では、一般的な手法で描く水彩画の技法を紹介したいと思います。
まず、風景画を描く場合、大切なことは、目の前に広がる風景の何処を描くかということです。とても素晴らしい風景を前にすると、何処を描いてよいかわからない場合があると思いますが、その場合は、一番魅力を感じるところは何処かを決めて描くことをお勧めします。仮に魅力ある対象物が、2つ、3つあったとしても全てを描こうとせずに、どれか一つに的を絞ることが大切です。「一番魅カあるもの(または描いてみたいと思うもの)を中心に、構図をまとめる」ことが肝心です。
3.構図について 〜「お2階さん」にならないために〜
「お2階さん」とは何ですか、と質問される前に、まず下の図をご覧下さい。

上の絵は、どちらも同じ所を描いたものです。椅子に座って写生したとすると、どちらの絵がより正確に描かれているでしょうか。答えは、「B」です。簡単な問題ですね。ところが、正解を答えられた方でも、いざご自分で描くと、なかなか正確にかけないものです。
これまで、長年スケッチの指導をさせていただいておりますが、初心者の方の10人中7,8人の方が「A」のようにかかれます。中には、かなり年期の入った方でも「A」のように描く方も見受けられます。
意図的に「A」のように描く場合もありますので、決して「A」がいけないというわけではありません。ただ、正確に描く方法も、学んでいただきたいと思っておりますので、最初のうちは、ぜひ「B」のように描くように心がけてください。
「お2階さん」とは、私が作った造語で、低い位置で描いているにもかかわらず、あたかも2階から見ているように描く方を、便宜的に「お2階さん」と呼ばさせていただいています。したがって、上の絵の場合、「お2階さん」とは「A」のように描く方のことを指します。
では、どのようにしたら「B」のように、描けるようになるでしょうか。それには、「入門編」で学ばれた遠近法の「目線」を是非思い出してください。
最初から「B」のように、きちんと描けない方でも、遠近法の目線を気にしながらしっかり対象物を見続けることにより、必ず正確に描けるようになりますので、安心してください。(実際は、遠近法など知らなくても、対象物をよく見ることで、正確に描けるものなのですが、慣れるまでは遠近法を意識して描くことをお勧めします。)
次に「お2階さん」の作例を紹介します。
下の風景は、よく皆さんがスケッチで写生する場所です。「お2階さん」の例と遠近法を意識して描いた例を示しましたので、何処が違うかをよく見比べてください。

どうですか、比較すると違いが良くわかるでしょう。
初心者の方のほとんどは、「お2階さん」のように描いています。(私は心理学者でないので、多くの方がどうして「お2階さん」のように描くか、よく分かりませんが、きっと誰でも心のどこかに、上のほうから物を見る、または見たい、という気持ちがあるのかも知れませんね。)
上の右図のように、建物や構造物などを正確に描くコツは、最初に画面上に目線を引いて見るのも一つの方法だと思います。対象物が、目線の上に来るか、下に来るかで、構図が違ってきます。このことを意識することで、正確にスケッチをすることが出来るようになると思います。くれぐれも、遠近法の目線を忘れないで下さい。
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