水彩画の描き方(中級編3)

4.ペンの使い方

 水彩画でペンを使って描く技法は、一見一般的であるようですが、実はあまり使われている技法ではありません。それは、一つ間違うと、漫画や挿絵などのイラスト画になってしまうからです。(漫画やイラストが良くないという意味ではなく、ジャンルが違うという意味です。)

 ペンで描くということは、ペンの線で物の輪郭で取るために、形がはっきりしすぎて、嫌がる人もいるようです。ペンで輪郭を取ることを「説明の線」と言いますが、対象物を「説明の線」でだけで表現すると、漫画やイラストに似て、形の説明だけのものになってしまいます。ペンを使った場合、アート作品として仕上げるための難しさが、ここにあります。

 ペンは、単に物の形を説明するのではなく、絵画としての面白さの表現や色の薄い透明水彩の色調を、線を用いることで、際立たせることにも役立ちます。また、野外スケッチなどで、力強い線や勢いのある線をペンで表現することにより、より臨場感あふれる作品を描くことも可能です。

 そこで、ペンの強弱をたくみに使い分けることが、絵画性を持たせる上でとても重要なことになってきます。(一般的に、漫画やイラストの場合、物の輪郭を描く線の太さが同一です。)

 このほかに、ペンを使う場合に注意しなければならないことは、近景、中景、遠景で、ペンの太さを使い分けることも大切です。例えば、手前の木立や建物などは、0.5mmで描き、中景の対象物は0.3mmを使い、また遠くの山並みなどは0.1mmを使うといった工夫が必要になります。(しかし、同じ太さのペンでも、筆庄を変化させることにより、表現を変えることは可能です。)

 また、何回か使って、インクの出の悪くなったペンをすぐに捨てないでください。松の木の幹などを描く場合は、あまりインクの出が良くないほうが、かえって上手く表現できるものです。

 ペンの特徴は、緑の勢いと線の強弱だと思います。ペンを上手くコツは、ペンのインクまかせ線を引くのではなく、あくまでもご自分の意思でインクをコントロールするつもりで、勢いや強弱を表現することだと思います。

街並みの建物や電柱など、また港に停泊中のヨットの帆柱などの表現には、形がしっかり表現できるペンで描くのが最適だと思います。(絵具だけでの表現では、難しい面があります。)

 ペンを自由に使いこなせるようになれば、一段とスケッチが楽しくなると思いますので、是非ペンを使って沢山絵を描いてください。






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