水彩画の描き方(上級編1)


1.はじめに

 本編では、まだ紹介していない、作品の向上のためのいくつかの画法を、できるだけ分かりやすく紹介したいと思っております。新しい技法をマスターすることにより、描く分野が広がり、より高度な作品を描くことができるようになると確信しております。

 絵は楽しく描くこと、これは私がいつも念頭においていることで、また機会あるごとに皆様にお話していることです。絵を描けることは、それ自体が素晴らしいことだと考えておりますが、さらに楽しい気持で描いた作品は、観る人の心までも楽しくさせるものだと思います。

 このほかに、絵を描く上で心に留めておいていただきたいことは、心を込めて描くということです。絵画を一口で表現すると、描く人の心の表現だと思います。描いた作品にそれがないと、観る人は感動しません。いかに上手く描けていたとしても、観る人に語りかけるものがなければ、アート〔芸術〕性のある作品とはいえないと思います。

 結論的に申し上げれば、絵を描くにあたって大切なことは、「楽しく描くこと」と「観る人の心に響く作品を目指して描く」ことだと思います。技法の向上は、その一助だと考えていただけたらと思っております。皆様が、本編を通じてより高度な技法をマスターすることにより、透明水彩の素晴らしさを楽しんでいただければ、望外の喜びです。

2.構図のまとめ方

 よい作品の条件は、なんといっても構図がしっかりしていることです。このことは、対象物をそっくり同じように描くこととは、少し意味が違います。絵はあくまでも主体的に描くものですから、誰でもが同じに描く必要はありません。絵は基本的こは創作です。一人一人が他の人と違った特長を出して、初めてその人のオリジナル作品になるわけです。
 考え方としては、目に見える物に引きずられて、見える通りに描こうとしないことです。

 とはいうものの、しっかりした構図の絵を描くためには、第一段階として物を正確に描くデッサンカを身につけていることが大切です(本編は、一応基本的なデッサンの技術をマスターされている方々を対象にまとめてあります)。

 では、構図のまとめ方を考えてみたいと思います。

 構図を作成することとは、対象物の形を参考にして、何を描きたいかを明確に形で示すことだと思います。その場合、自分の感性で安定した形(フォルム)に描く(構成する)ことが必要となります。
 構図を上手くまとめるうえで、多少対象物を変形(デフォルメ)させることも大切なことです。このことは、たくさん絵を描いていくうちに次第に分かってくることでしょう。

 ここでは悪い構図と良い構図を比較してみたいと思います。

悪い構図と良い構図




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